Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme

Aozora Bunko

壊してしまわなけりゃ直らない厄介物だ。全体茶人の持ってる道具ほど気に食わないものはない。みんな、ひねくれている。天下の茶器をあつめてことごとく敲き壊してやりたい気がする。何ならついでだからもう一つ二つ茶碗を壊して行こうじゃないか」

「ふうん、一個何銭ぐらいかな」

二人は茶碗の代を払って、停車場へ来る。

浮かれ人を花に送る京の汽車は嵯峨より二条に引き返す。引き返さぬは山を貫いて丹波へ抜ける。二人は丹波行の切符を買って、亀岡に降りた。保津川の急湍はこの駅より下る掟である。下るべき水は眼の前にまだ緩く流れて碧油の趣をなす。岸は開いて、里の子の摘む土筆も生える。舟子は舟を渚に寄せて客を待つ。

「妙な舟だな」と宗近君が云う。底は一枚板の平らかに、舷は尺と水を離れぬ。赤い毛布に煙草盆を転がして、二人はよきほどの間隔に座を占める。

「左へ寄っていやはったら、大丈夫どす、波はかかりまへん」と船頭が云う。船頭の数は四人である。真っ先なるは、二間の竹竿、続づく二人は右側に櫂、左に立つは同じく竿である。

ぎいぎいと櫂が鳴る。粗削りに平げたる樫の頸筋を、太い藤蔓に捲いて、余る一尺に丸味を持たせたのは、両の手にむんずと握る便りである。