Japanische Klassiker mit Furigana
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むしのいのち
虫の生命
海若 藍平
Lesen Sie 虫の生命 (むしのいのち) von 海若 藍平 (かいじゃくらんぺい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.854 Zeichen · 6 Bildschirme
これというのも、たった虫一匹の生命を助けたため、その虫を助けたのは初夢を本当にしたためと思えば、勘太郎は口惜しいやら情ないやら涙をポロポロコボして行きました。
その中に春が来たらしく、雪も降らず風もあたたかくなって、勘太郎が行く山道を横切る雪も白くふわふわとして来ました。あたたかい太陽の下の木々には芽が萌え出し、楽しげな鳥の声が方々から聞こえるようになりました。
しかし勘太郎はもうすっかり飢え疲れて、眼が見えなくなって来ました。あっちへ行っては石に引っかかり、こっちへよろけては樹にぶっつかり、ヒョロヒョロして行くうちに、とうとうどこだかわからぬ処でバッタリ行きたおれてしまいました。
小さな虫を救うても
救うた生命は只一つ
象の生命を助けても
助けた生命は只一つ
虫でも象でも救われた
その有り難さは変らない
虫でも象でも同様に
助けた心の美しさ
人の生命を助くるは
人の心を持った人
虫の生命を助くるは
神の心を持った人
みんな仕えよ神様に
御礼申せよ神様に
こんな歌がどこからともなく晴れやかに聞こえて来ましたので、勘太郎は不思議に思って眼を開きますと、自分はいつの間にか見事な寝台の上に寝かされて、傍には大勢の美しい天女が寄ってたかって介抱しています。