Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にじのはし

虹の橋

久生 十蘭

Lesen Sie 虹の橋 (にじのはし) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.038 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

奥の八畳へ行って、

「警察から呼びに来ましたから、行ってきます。あとのことは家主さんにお願いしておきますから」

と、フサにいったが、返事がなかった。しばらくしてから、フサがボソリといった。

「何もかもすまして、きれいな身体になって帰ってきたのだとばかり思っていたのよ」

「それはなんのこと?」

「よしよし、早く帰ってきなさい。身体に気をつけてね」

警察へ行くと、すぐ二階の刑事部屋へ入れられた。狭いところに机が並び、刑事が三人ばかり火鉢をかこんで雑談をしていた。

永田という私服は奥まった机の前へあさひを連れて行くと、いきなり、

「君は六年前、銀座の『ベラミ』というバアで女給をしていたことがあったね」と、おっかぶせた。

銀座のバアで女給をしていたことは千代から聞き、履歴書でも読んで知っていた。

「ございます」

永田は刑事たちのほうへ振返って、

「こいつに、まちがいはないんだね」

と念をおした。刑事たちがうなずくと、永田は物入れからペルシャ模様の臙脂色のネッカチーフをだしてきて、それをあさひの前に投げだした。

「おぼえがあるだろう」

手にとってみたが、おぼえなどなかった。