Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんぱくせき

蛋白石

宮本 百合子

Lesen Sie 蛋白石 (たんぱくせき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.056 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

「今月中にねえ、

私は小田原へ行って来ようと思って居るんだよ。

お前にお気の毒だけど、せいぜい二十日位だから、辛棒して呉れるねえ。」

なんかと云った。

(二)

まだ若い女をたった一人留守番にして自分一人旅に出ると云う事は千世子には何となし仕にくい事だった。女の淋しさも思い、また、自分の持って居るあらいざらいのものを見張って居てもらうにはあんまりかよわいものの様でもありして千世子は出しぶって居た。林町の家から婆やでも来てもらえばいいとも思ったけれ共、それでなくってさえ手少なでせわしくて居る内をたのむのはあんまり心ない事だとも思って居たので余計のびのびになってしまった。

そうして居るうちにまた「さき」の縁談が持ちあがって当分は足止めを喰ってしまった。

始め、さきの父親の所から太い太い字で書いた手紙をよこした。

間が悪いほど、自分の娘の世話になって居る礼を書き連ねてから、縁が有って斯々の処へきめたから近々参上してくわしい事は申しあげ改めてお暇をいただきたいと云ってよこした。

その手紙が来てから六日ほどして父親はほんとうに千世子の家へ来た。

しょぼしょぼの眼をしげく眼ばたきしながら丁寧な口調でゴトゴトと話した。