Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はちがだんごをこしらえるはなし

蜂が団子をこしらえる話

寺田 寅彦

Lesen Sie 蜂が団子をこしらえる話 (はちがだんごをこしらえるはなし) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.564 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

私の宅の庭の植物は毎年色々な害虫のためにむごたらしく虐待される。せっかく美しく出揃った若葉はいつの間にかわるい昆虫のために食い荒らされる。なかんずくいちばんひどくやられるのは薔薇である。羽根が黒くて腰の黄色い小さな蜂が、柔らかい若芽の茎の中に卵を産みつけると、やがて茎の横腹が竪にはじけ破れて幼虫が生れ出る。これが若葉の縁に鈴成りに黒い頭を並べて、驚くべき食慾をもって瞬く間にあらゆる葉を食い尽さないではおかない。去年はこの翡翠の色をした薔薇の虫と同種と思われるものが躑躅にまでも蔓延した。もっともつつじのは色が少し黒ずんでいて、つつじの葉によく似た色をしているのが不思議であった。

何とかしてこの害虫を絶滅する方法はないものだろうかと思うだけで、専門家に聞いてみるでもなく、書物を調べるでもなく、ついそのままにしておくのである。いつか三越の六階で薔薇を見ていたら、それにもちゃんとこの虫がついたままに正札をつけてあるのを発見して驚いた事がある。専門家でもこれを完全に駆除するのは困難だとすると、自分等の手に畢えぬのは当然かと思われた。とにかく去年などは幾株かのばらとつつじを綺麗に坊主にしてしまわれた。