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Japanische Klassiker mit Furigana

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くものゆめ

蜘蛛の夢

岡本 綺堂

Lesen Sie 蜘蛛の夢 (くものゆめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.189 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

「そりゃあ大変だ。なにしろ俺も行って様子を見届けよう。」

庄吉に案内させて庄作も川端へ忍んで行くと、二つの黒い影はもうそこに見いだされなかった。

暗いなかで聞こえるのは、岸に触れる水の音のみである。女は死ぬと言っていたから、庄吉の立去ったあとに身でも投げたか、それとも男に引摺られて帰ったか、それらはいっさい不明であった。

「お父っさん、どうしよう。」

「さあ。」と、庄作も考えた。「ほか場所ならばともかくも、渡し場近所で何事かあったのを素知らん顔をしていては、後日に何かの迷惑にならねえとも限らねえ。念のために届けて置くがよかろう。」

親子は一応その次第を自身番へ届けて出た。

しかもその男も女もすでにどこへか立去ってしまったというのでは、別に詮議の仕様もないので、自身番でもそのままに捨てて置いた。

四

こんにちと違って、その当時の橋場あたりの裏長屋は狭い。殊に虎七の住み家はその露地の奥の奥で、四畳半一間に型ばかりの台所が付いているだけである。そこへ町方の手先がむかったのは明くる日の午ごろであった。

庄作親子の届け出でを聞いて、自身番でもその夜はそのままに捨てて置いたが、仮りにもそれが千鳥の女房殺しに関係があるらしいというのでは、もちろん聞き流しには出来ないので、明くる朝になって町役人にも申立て、さらに町方