Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くものゆめ

蜘蛛の夢

岡本 綺堂

Lesen Sie 蜘蛛の夢 (くものゆめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.189 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

叔父はどうしているのか判らない。よくもいろいろの事がそれからそれへと続くものだと思うと、もしや夢でも見ているのではないか。夢ならば早く醒めてくれればいいと祈っていました。暫くして母が帰って来まして、お由はまだ帰って来ない、どうも家出をしたらしいというのでございます。

「叔母さんはどうして……。」

「叔母さんは市ヶ谷から帰って来たけれど……。いよいよぼんやりしてしまって、本当に気の毒でならない。今度は叔母さんが気でも違やあしないかと思うと、心配だよ。」

この上に叔母が気違いにでもなったらば、会津屋は闇です。母も幾らか捨て鉢になったとみえて、溜息をつきながらこんな事を言い出しました。

「ああ、いくら気を揉んだって仕方がない。こんなことになるのも何かの因縁だろうよ。」

まったく何かの因縁とでも諦めるのほかはありません。しかしそう諦めなければならないというのがいかにも悲しいことでございます。お由が帰ればすぐに知らせて来る筈になっているので、表を通る足音ももしやそれかと待ち暮らしていましたが、会津屋から何の知らせもありませんでした。母もわたくしも心配しながら寝床にはいりましたが、ゆうべもよく眠られませんでしたので、年のゆかないわたくしは枕に就くと正体もなしに寝入ってしまいました。