Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みかん
蜜柑
佐左木 俊郎
Lesen Sie 蜜柑 (みかん) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.618 Zeichen · 14 Bildschirme
お婆さんは、ごくりごくりと咽喉を鳴らしながら水を呑んだ。お美代はすぐに眼を伏せて、膝の上の自分の手を見た。玄い肌には一面の赤い皸だった。節々は、垢切に捲かれた膏薬で折り曲げもならぬほどであった。
「新田の方はそんなに仕事がひどえのがあ、お美代。――新田さ嫁に行ぐが、鉈で顔剃らせるが――って話は聞いでいだげっとも。」
「なじょして、この辺の男達よりも、もっと荒仕事しさせられんのだもの、新田の方では。」
「女の仕事の荒いの、新田のようだって言ってるぐらいだから……」
お婆さんは、また枕に頭を横たえた。電話口へ耳をあてるようにして。
「おらは、どこさも行がねえもは、婆さん。一生家にいで、独身で、叔母様ではあ、この家にいで稼いで助けるもは。おら、どこさも行がねは。」
「うむ? それさな。――やっぱり、新田さ行ぐより、町さ行った方がよがったがな。」
お婆さんは、自分がこの老衰の床に就く一月ほど前、町の方へ嫁に行くことに話が纒まりかけていたお美代を、無理矢理に新田へ、土地の素封家だと言うことだけで、いろいろと口説き落とした自分であったことを、ぼんやり思い出した。
「やっぱり、町さ行った方がよがったがな。