Japanische Klassiker mit Furigana
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かにこうせん
蟹工船
小林 多喜二
Lesen Sie 蟹工船 (かにこうせん) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.890 Zeichen · 125 Bildschirme
仕事につく前に、皆が工場に降りて行って、片隅に溜った。どれも泥人形のような顔をしている。
「俺ア仕事サボるんだ。出来ねえ」――炭山だった。
皆も黙ったまま、顔を動かした。
一寸して、
「大焼きが入るからな……」と誰か云った。
「ずるけてサボるんでねえんだ。働けねえからだよ」
炭山が袖を上膊のところまで、まくり上げて、眼の前ですかして見るようにかざした。
「長げえことねえんだ。――俺アずるけてサボるんでねえんだど」
「それだら、そんだ」
「…………」
その日、監督は鶏冠をピンと立てた喧嘩鶏のように、工場を廻って歩いていた。「どうした、どうした※(感嘆符疑問符、1-8-78)」と怒鳴り散らした。がノロノロと仕事をしているのが一人、二人でなしに、あっちでも、こっちでも――殆んど全部なので、ただイライラ歩き廻ることしか出来なかった。漁夫達も船員もそういう監督を見るのは始めてだった。上甲板で、網から外した蟹が無数に、ガサガサと歩く音がした。通りの悪い下水道のように、仕事がドンドンつまって行った。然し「監督の棍棒」が何の役にも立たない!
仕事が終ってから、煮しまった手拭で首を拭きながら、皆ゾロゾロ「糞壺」