Japanische Klassiker mit Furigana
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はえおとこ
蠅男
海野 十三
Lesen Sie 蠅男 (はえおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.129 Zeichen · 237 Bildschirme
「呀ッ、あぶないッ!」と叫んだが、既に遅かった。ダダダーン、ヒューッと、発射された銃弾は帆村たちのいる室内に撃ちこまれた。
「うわーッ、ウーム」
苦しい呻き声とともに、監視の警官が、ドサリと床上に人形のように転がった。
「ウウン、やられたッ」
と、こんどは帆村が絶叫した。素早く安楽椅子のかげに身をかわした彼だったが、途端に一弾飛びきたって左肩に錐を突きこんだ疼痛を感じた。彼は床の上に自分の身体が崩れてゆくのを意識した。そして階下から湧き起る警官隊の大声と階段を荒々しく駈けあがってくる靴音とを、夢心地に聞いた。
空虚のベッド
青年探偵の帆村荘六は恐ろしい夢からハッと覚めた。
気がついて四囲を見まわすと、自分は白い清浄な夜具のなかにうずまって、ベッドの上に寝ていた。
(呀ッ、そうだ。僕は肩先を機関銃で撃たれて、この病院に担ぎこまれたんだったな)
彼は大阪住吉区岸姫町の鴨下ドクトルの館で、不意に何者かのために、こんな目にあわされ、そして意気地なくもこんなことになって、附近の病院に担ぎこまれたのだった。
電灯が室内をうすぼんやり照らしていた。もう夜らしいが、何時だろうかと、腕時計を見ようとしたが、とたんに彼は、飛びあがるような疼痛を肩に感じた。