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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちまんだらしちょうぶし

血曼陀羅紙帳武士

国枝 史郎

Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme

Aozora Bunko

「悪縁といえば、よくよくの悪縁でござるよの」と左門は、辛辣な声で云いつづけた。

「貴殿のお父上を討ち取ったばかりか、武蔵屋では、貴殿の恋人、博徒五郎蔵の女お浦という者を、拙者この帳中で。……しかるに、同じこの紙帳の中で、貴殿第二の恋人、栞殿を。……重なる怨みとはこの事! フッフッ、これでは貴殿、拙者を見遁がすことなりますまいよ!」

悲痛の頼母

「頼母様アーッ」

と栞は、左門の手から遁がれよう遁がれようと身悶えしながら、必死となって叫んだ。

「左門様が、あなた様のお父様の敵などとは夢にも知らず、先刻から、紙帳の中で、物語りいたしましたは真実ではござりまするが、何んの貞操を!」

「それは真実じゃ!」

と、左門は、意外に真面目の声で云った。

「栞殿は、純潔じゃ。……それから……」と云ったが、云い止めた。

しかし、やがて決心したように、誠実のこもった声で、

「先夜、武蔵屋で、お浦と申す女子を手に入れたよう申したが、これも嘘じゃ! ……拙者に関する限り、お浦という女は純潔じゃ! ……本来、拙者は女嫌いでな。いわば女性嫌忌性なのじゃ!」

(それにしても)

と、左門は、自分で自分を疑った。