Japanische Klassiker mit Furigana
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ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme
頼母は勇気とみに加わり、今までは守勢の身であったのが、攻勢に出、疾風のように五郎蔵の乾児どもの中へ斬り込んだ。
胆を奪われた乾児たちが狼狽し、散って逃げた時、
(栞殿は?)
と、こういう場合にも、危険に曝らされている恋人のことが心に閃めき、頼母は、逃げた乾児どもを追おうともせず、身を翻えすと一気に、紙帳へ駆け寄り、左門の立っている位置とは反対の、紙帳の裏側に立ち、紙帳を背にし、もう追い縋って来た五郎蔵の乾児六、七人を前にし、構え込んだ。
五郎蔵の乾児たちは、今は、二派に別れて立ち向かわなければならないことになった。
十数人の乾児たちは、左門へ向かった。
と、この時、左門の高く呼ぶ声が聞こえて来た。
「頼母殿、心得てお置きなされ! 敵大勢四方よりかかるとも、一方へ追い廻せば結局は一人でござるぞ! すなわち殿陣の一人が敵でござるわ!」
この言葉を証拠立てるためらしく、左門は突き進むと、左端の一人を斬り斃し、戻りの太刀でもう一人を斬り斃し、狼狽した乾児たちが紙帳を巡って右手の方へ逃げるのを、隙かさず追い、逃げおくれた一人を、肩から背骨まで斜めに斬り下げ、紙帳の角を廻って尚追った。