Japanische Klassiker mit Furigana
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ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme
天国の剣で真っ二つにいたしてくれるわ!」
五郎蔵は、むしろ唖然とした眼付きで、春陽を受けた剣が、虹のような光茫を、刀身の周囲に作って、卯の花のように白い薪左衛門の頭上に、振り冠られているのを見上げたが、
「ナニ、天国の剣? ……どうして汝の手に?」
と、前後を忘れ、ズカズカと塚の裾の方へ歩み寄った。
と、その時まで、塚の真下に、小岩を抱いて、奄々とした気息で、伏し沈んでいた典膳が、最後の生命力を揮い、胸を反らせ、腰をらせ、のけ反った。とたんに五郎蔵の悲鳴が起こり、同時に彼の姿は地上から消え、彼の立っていた足もとの辺りに大きな穴が開いた。
天智天皇の七年、高麗国の滅亡するや、その遺民唐の粟を食むことを潔しとせず、相率いて我が国に帰化し、その数数千に及び、武蔵その他の東国に住んだが、それらの者の長、剽盗に家財を奪われるを恐れ、塚を造り、神を祭ると称し、塚の下に穴倉を設け、財宝を隠匿した。
これが道了塚の濫觴なのであって、勘兵衛、又兵衛の浪人組どもは、その塚を利用し、強奪して来た財宝を、その穴倉の中へ、隠匿したに過ぎなかった。栓のように見えていた小岩は、穴倉の上置きの磐石を辷らせる、槓桿だったらしい。