Japanische Klassiker mit Furigana
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ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme
と怨めしそうに云ったのは紋太郎であった。しかし角右衛門は案外悟ったような口調で、
「いやいやこの刀傷がものを云って、今後はかえって生活よくなろうぞ。我々は、松戸の五郎蔵親分に腕貸しいたし、刀傷を受けました者でござると、諸方の親分衆のもとへ参って申してみやれ、頼み甲斐ある用心棒として、厚遇されるでござろう」
「なるほどのう」
「左門は我らに生活の方法を立ててくれた菩薩じゃよ……こんなご時世、食えて行けさえしたら御の字じゃからのう」
――菩薩、苦行者、左門の姿は、遙かの彼方で、この時、カッと輝いて見えた。光明世界へ――林が途切れて、陽光の射し溜まっている箇所へはいったからであろう。
やがて左門の姿は見えなくなった。
暗い林の中へまたはいったからであろう。
しかし、その向こうには明るい世界が!