Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme
しかし紙帳は釣ってはなかった。あの場所の景色と異うところは、あそこでは、塚と林との彼方が、広々と展開けた野原だったのに、ここでは、土塀が、灰白く横に延びているだけであった。
(碑には、髭題目が刻られてあるに相違ない)こう思って、頼母は、縁から下り、塚の方へ歩いて行き、碑を仰いで見た。碑は、鉛めいた色に仄見えていたが、はたして、南無妙法蓮華経という、七字の名号が、鯰の髭のような書体で、刻られてあった。(不思議だなあ)と呟きながら、頼母は、少し湿ってはいるが、枯れ草が、氈のように軟らかく敷かれている地に佇み、(道了様の塚を、何んのために、中庭などへ作ったのであろう?)
急に彼は地へ寝た。
老幽鬼出現
(こうここへ俺が気絶して仆れれば、あそこでの出来事を、再現したことになる)
彼はしばらく寝たままで動かなかった。二十一歳とはいっても、前髪は立てており、それに、氏素姓よく、坊ちゃんとして生長って来た頼母は、顔も姿も初々しくて、女の子のようであり、それが、雲一片ない空から、溢れるように降り注いでいる月光に照らされ、寝ている様子は、無類の美貌と相俟って、艶かしくさえ見えた。