Japanische Klassiker mit Furigana
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ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme
おのれ勘兵衛、もう一度野中の道了で立ち合い、雌雄を決しようと、長い長い間、機会の来るのを待っていたのだ! さあここに野中の道了がある、立ち合おう、刀を抜け!」それから屋敷の方を振り返ったが、「栞よ、栞よ、勘兵衛が来たぞよ、用心おし、栞よ!」
と悲痛に叫んだ。
老人はそう叫びながら、やがて、片手で棒を握り、それで漕いで、躄者車を前へ進め、片手で刀を頭上に振りかぶり、頼母の方へ寄せて来た。頼母は、唖然とした。しかし、唖然とした中にも、自分が人違いされているということは解った。それで、刀の柄へ手をかけたまま、背後へジリジリと下がり、
「ご老人、人違いでござる。拙者は来栖勘兵衛などという者ではござらぬ。拙者は、伊東頼母と申し、今朝より、ご当家にご厄介になりおる者でござる」と云い云い、つい刀を抜いてしまった。
娘の悲哀
すると、その時、屋敷の雨戸の間に、女の姿が現われ、こっちを見たが、急に、悲鳴のような声を上げると、駈け寄って来、
「お父様、何をなさいます。そのお方は、お父様を警護のため、今日、お家へお泊まりくださいました、伊東頼母様と仰せになる、旅のお武家様ではございませんか。