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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちまんだらしちょうぶし

血曼陀羅紙帳武士

国枝 史郎

Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme

Aozora Bunko

そうして、この巨大な妖怪蜘蛛は、紙帳なのであった。では、四筋の釣り手を切られ、さっきまで、部屋の中に、ベッタリと伏し沈んでいた紙帳が、生命を得、自然と動き出し、歩き出して来たのであろうか? 幾人かの男女が、その内外で、斬られ、殺されて、はずかしめられ、怨みの籠っている紙帳である、それくらいの怪異は現わすかもしれない。

庭を歩いて行く紙帳蜘蛛は、やがて疲労れたかのように、背を低めて地へ伏した。しかしすぐに立ち上がった。背が高く盛り上がった。と、それに引き絞られて、紙帳の四側面が内側へ窪み、切られ残りの釣り手の紐を持った四つの角が、そのためかえって細まり、さながら四本の足かのようになった。窪んだ箇所は黒い陰影を作り、隆起している角は骨のように白く見えた。紙帳蜘蛛は歩いて行く。と、蜘蛛は、地面へ、子供を産み落とした。彼が地面へ伏し沈み、やがて立って歩き出したその後へ、長い、巾の小広い、爬虫類を――蛇を産み落としたのである。しかしそれは、黒繻子と、紫縮緬とを腹合わせにした、女帯であった。女帯は、地上に、とぐろを巻き尻尾にあたる辺を裏返し、その紫の縮緬の腹を見せていた。