Japanische Klassiker mit Furigana
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けつえきがたさつじんじけん
血液型殺人事件
甲賀 三郎
Lesen Sie 血液型殺人事件 (けつえきがたさつじんじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.256 Zeichen · 71 Bildschirme
この日、笠神博士の講義があったが、先生は最初に毛沼博士の不慮の死を哀悼するといって、すぐいつもの通り講義を始めようとされた。すると、級の一人が、
「先生、毛沼先生の死因はガス中毒ですか」
と訊いた。
笠神博士はジロリとその学生を眺めて、
「多分そうだと思います。実は死因を確める為に、私が解剖を命ぜられたのですけれども、思う所があって辞退して、宮内君にやって貰う事にしました。先刻鳥渡訊きましたら、やはり一酸化炭素の中毒に相違ないということでした」
いつの場合でもそうだが、今日の先生はいつもより一層謹厳な態度だったので、弥次学生もそれ以上弥次質問をする事が出来ず、黙って終った。私はふと絶命の時間について訊いて見ようと思ったが、時間中でなくとも、いつでも訊けると思い直して、口を開かなかった。
先生は講義を始められた。思いなしか、いつもほど元気がないようだった。同僚の不慮の死にあって、心を痛めておられるのだろうと、私はひそかに思った。
放課後、私は先生の教室に行った。
「毛沼先生が大へんな事になりまして」
「ええ、大へんな事でした。然し、あなたは大分迷惑しましたね」