Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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けつえきがたさつじんじけん

血液型殺人事件

甲賀 三郎

Lesen Sie 血液型殺人事件 (けつえきがたさつじんじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.256 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

「ええ、他のものは絶対に触りません」

「それから部屋を出たのですね」

「ええ、その間に婆やと女中とが先生の脱ぎ棄てた洋服をザッと片付けて、それぞれ手に持っていました。私が出て、続いて婆やと女中とが出ました」

「瓦斯ストーブはつけたままでしたね」

「ええ、そうです」

「君が出た時に、先生はとうに眠っていましたか」

「半分眠って居られたようです。ムニャムニャ何かいいながら、枕に押しつけた頭を左右に振っておられました」

「直ぐ立上って、扉に鍵をかけられた様子はありませんでしたか」

「ええ、気がつきませんでした。――鍵がかかっていたんですか」

署長は然し、私の質問には答えなかった。

「電灯は婆やが消したんですね」

「ええ、扉に近い内側の壁にスイッチがありまして、それを出がけに婆やが押して消しました」

「お蔭でよく分りました。もう一つお訊きしますが、君は先刻迎えに行った刑事に、『先生は殺されたのじゃないか』といったそうですが――」

私はドキンとした。余計な事をいわなければよかったと後悔した。然し、署長は私の心の中などはお構いなし、どんどん言葉を続けていた。

「どういう訳で、そういう事をいったのですか。