Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まちのたんてい

街の探偵

海野 十三

Lesen Sie 街の探偵 (まちのたんてい) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.275 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

『さあ、現場へ行ってみようぜ』

初めて僕は、惨事のあった室に入った。

実験装置がやりかけたままになってそこに転がっているのも、まことに痛ましいことであった。

『ホスゲン瓦斯は、どこから入ってきたのかね』

『どこから入って来ようもないじゃないか。室内は密閉されてあるのも同然だ』

と帆村は舌うちをした。

『ストーブから不完全燃焼でもって一酸化炭素が出てきたのではないかね』

『ちがう。一酸化炭素なら、被害者の顔は赤くなっても決してこんな蒼い顔になりはしない。やはりホスゲンだ。ほら微かにのこっているだろう。林檎のくさったような匂いがするじゃないか』

なるほど、そういわれるとそんな匂いがしないでもない。

『相当の量が入ってきたんだろうね』

『そうだ、相当の量だ。相当濃いやつだね。しかも、短時間に、さっと入ってきたんだ』

『何処から?』

『それが分らない。さあこれからそれを探すんだ』

帆村は室内をのこのこ歩きだした。

『おい帆村君、こんなところに、空気抜けの穴が二つあるぜ。これは大丈夫かね』

『なんだ、空気抜けじゃないか。空気抜けは、室内の空気を上に吸い出すものだ。問題はない』