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Japanische Klassiker mit Furigana

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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Lesen Sie 街はふるさと (まちはふるさと) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.435 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

「梶せつ子さんは、どっちかな」

「二人ともよ。そして、お好きなほうよ。どっちも私ですもの。先生。手を握りましょうか」

せつ子は膝をよせて、長平の手をとった。

「どう? 覚えてらッしゃる。おんなじ?」

「わからないね」

「じゃア、こう」

グッと力をこめてみせた。

「なるほど。それで、わかった」

せつ子は笑って、

「でも、先生。不安を感じませんでしたか」

「どうして?」

「私ね。あとで、男娼の手にすりかえさせようかと思ったんです。はじめの計画は、そうだったの。男娼はよろこぶわ。暗闇で先生に頬ずりしてよ。甜めるわよ」

「どうして、そんなことがしたいんです」

「ひどい方」

せつ子は媚をためて睨んだ。

「なぜ青木さんに変な名刺もたせてよこしたんです。イタズラッ児。もっと悪意にとったわ。でもね。イタズラッ児の仕業と思って我慢してあげたんです」

「悪意にとっても、かまわんのさ」

「先生は私を悪い女とお思いなんでしょうね」

「そうきめてかかれば、わざわざあなたを見物に来やしないさ」

「私は同情はキライなんです。そして、ジメジメした人情も」

「キライと好きは生涯ハッキリしませんよ」

せつ子は長平の手を両手でとって、グイとにじりよって、大胆に見つめた。