Japanische Klassiker mit Furigana
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まちはふるさと
街はふるさと
Lesen Sie 街はふるさと (まちはふるさと) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.435 Zeichen · 389 Bildschirme
似た機会が起るにしても、二つの夜は、その時に限って継続しているにすぎないのだ。せつ子のように多事多端な毎日をすごす人でも、当人の身には事もない一生であるかも知れない。
「すると、君自身の特に最近の実感だね。事もなく、又、多忙をきわめているらしいな」
「多忙を自覚する人と、自覚しない人に分類して、ぼくはやや自覚派に属していますよ」
「君がかねえ。そんなにとぼけてねえ」
「とぼけているのは顔だけですな」
「青木君と記代子の二人はどうですか。自覚派かも知れないな」
穂積はちょッとうつむいて考えこんでいたが、ちょいととがめだてるように、
「ひどいねえ」
「なにが?」
「記代子さんは、先生の姪ですよ。まるで赤の他人の話のように」
「へえ。そうかい。ほくが君に訊きたかったのが、それなんだぜ。当人が姪の身の上を他人同様きき流すのは当人の自由なんだぜ。ところが、それをぼくに語ってきかせる君の場合は、世間なみの礼義みたいな気兼ねがありそうなものじゃないか。御愁傷様というような、ね。ぼくの目からは、君の方がトーチカのように見えるんだがね」
「ハッハア」
穂積は明るく笑って、
「だから、人のことで気をつかっちゃいられないんです。