Japanische Klassiker mit Furigana
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まちはふるさと
街はふるさと
Lesen Sie 街はふるさと (まちはふるさと) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.435 Zeichen · 389 Bildschirme
子供の案内で、近所のお寺へ行ってみると、木立の中で、せつ子は子供たちと蝉をとっていた。
「お早う。まだ、十時半よ」
「ぼくは早起きだよ。荷物は?」
「ちょッと散歩にぬけだしてきたのよ。大阪から」
「じゃア、殿様のお供だね」
せつ子は軽くうなずいてみせた。
「京都の子供ッて、東京の言葉がわからないのかしら?」
「どうして?」
「お手紙とどけてちょうだいッて頼んだんです。なかなか分ってくれないのよ」
「それは君の頼みが奇怪だから、理解できないのさ」
「いいえ。理解しようとするマジメな気持が顔にアリアリ現れているのよ。言葉が通じないらしいわ。京都にも気の短い子がいるのよ。言葉が通じなくッて、モシャクシャしたらしいのね。インデコ、だって。わかる?」
「インデコ?」
「もう、帰ろう、ッてことなの。さッさと逃げて行っちゃったわ」
せつ子は板チョコを折って長平にくれた。子供たちがチョコレートをかじっているところをみると彼女が配給したのに相違ない。せつ子が手をふってサヨナラと叫ぶと、古都の子供たちは、サヨナラ、バイバイと言った。
「浩然の気を養うという大人の風格があるよ」
と、感心したのか、ひやかしたのか、わけのわからないことを長平が言うと、せつ子はなさけなそうに苦笑して、