Japanische Klassiker mit Furigana
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まちはふるさと
街はふるさと
Lesen Sie 街はふるさと (まちはふるさと) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.435 Zeichen · 389 Bildschirme
彼はキッピイの言葉を一つずつ思い起した。彼女はこんなことを言ったのだ。「五人目の女が知っているかも知れない」と。
本当にそんな女がいるのだろうか? キッピイはその人を知っているのだろうか? 冗談めいたところもあった。
まさか、礼子のことではないだろう。しかし?……放二は一山のマッチを思いだして、キッピイの五人目の女が礼子のことではないにしても、彼女も何か知っているかも知れないと思った。ほかの人々が知らないような何かを。
放二は疲れきっていた。そして、疲れすぎると、尚さら寝つかれなくなる今日このごろを考えて、あるいは、死期とまではいかなくとも、再起不能の状態に近づいているのではないかと思われるのであった。
記代子の行方をさがしまわることは、さらに急速にその状態に近づくことを明確に示していたが、放二はむしろ捜しまわって疲れる方が楽だと思った。何もせずにジリジリ衰弱するのを見てわきまえている腹立たしさにくらべれば、何かのために物思うヒマもなく疲れる方が、かえって安らかなのだ。
放二は明け方になって、よく眠った。
おそく目をさまして、社へでる前に、キッピイの自宅を訪れてみようかと考えたが、一応報告を先にしようと思い直した。