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Japanische Klassiker mit Furigana

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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Lesen Sie 街はふるさと (まちはふるさと) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.435 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

いろんなことが、しみるように、分りかけてくるよ。まず、ひとつ、ハッキリ分ったことがあるよ。曰く、覆水盆にかえらず、ということだ。ありがたい。これで、オレは、ホッとしたなア」

十一

「これが分っただけでも、オレは安心して、東京へ帰れるよ。覆水盆にかえらず。人倫は水のように自然のものなんだ。ひっくりかえって流れた水は、どう仕様もねえや。もっとも、自然に元へ集ってくれるなら、それも良しさね。とにかく、自然でなくちゃア、ダメなんだ。しかし、人間はミレンですよ。覆水を盆にかえそうとしたり、盆にかえりうるものと希望をすてなかったり、ね。思えば、ぼくはそのミレンとナレアイの遊びをしていたようなものさ。ねえ、長平さん。ぼくは老いて益々迷いに迷う人間になりましたよ。しかし、迷いのタネを過去に持ってはダメなんだね。白骨をさらすまで、水のように、迷いはただ盲メッポウ先へと流れるべきものですよ」

青木の苦笑は明るかった。

「ぼくはちかごろ、三方損ということを考えていたですよ。ただ今、覆水盆にかえらず、を会得するに至って、三方損の考えが生きたものになりましたね。喧嘩両成敗はあたりまえのことでさア。