Japanische Klassiker mit Furigana
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まちはふるさと
街はふるさと
Lesen Sie 街はふるさと (まちはふるさと) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.435 Zeichen · 389 Bildschirme
「大庭長平先生にお目にかかりたいのですが」
と当てずッぽうに言ってみると、
「大庭さんは茶室におすまいですよ。庭から廻って下さい」
やっぱり、そうだ。青木はホッと、目がくらんだが、こうまでして、なんのための努力だか、わけが分らない。長平が金を貸してくれるとは思っていないのだ。ただ、意地だ。なんの意地だか、それも分らない。長平は自分にからかわれていると思うかも知れないが、オレがオレをからかっているだけなのさ。待望の隠れ家をつきとめて、こみあげてくるのは絶望だけである。
しかし、青木は威勢よく庭をまわって、わざと窓から首を突ッこんで、
「ヤ。いる、いる。こんちは。長平さん」
「ヤ。君か」
「不意打ち、御容赦。天をかけ、地をくぐり、習い覚えた忍術が種切れになるところで、ようやく、つきとめました、ハイ」
「ま、あがりたまえ」
「なんでもないような顔をして、こまった人だね。歓迎はしていないかも知れないが、イマイマしいというお顔には見えないのだからな。意地のわるい人さ」
青木は部屋へあがって、しきりに汗をふきながら、
「初夏の汗だか、冷汗だか、分らないやね。ときに、ここが、東京の別荘ですか」