Japanische Klassiker mit Furigana
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まちをいくままにかんず
街を行くまゝに感ず
小川 未明
Lesen Sie 街を行くまゝに感ず (まちをいくままにかんず) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.991 Zeichen · 6 Bildschirme
また、林檎を栽培し、蜜柑、梨子、柿を完全に成熟さして、それを摘むまでに、どれ程の労力を費したか。彼等は、この辛苦の生産品を市場にまで送らなければならないのです。
都会人のある者は、彼等の辛苦について、労働については、あまり考えないで、安いとか、高いとかいって、商人の手から買い、安いければ、安いで無考えに消費するまでのことです。
「今年は、西瓜が安い、また豆が安い……」と言って、消費者は喜びます。これを作った百姓の喜びは、やがて、市価の下落によって反対の悲哀を見なければならない。なぜなら商人は、彼等に対して、いつまでも搾取を惜まないからです。
考えれば、いろ/\な不条理がこの社会に存しています。
こればかりでない。もし都会に不幸な家庭があったとします。そして、その家庭は、世間の人々の同情を受けるのに、充分値したとする。もし、そうした家庭があったなら、その家庭の事情は、都会の新聞によって報道せられないことはなかろうと思います。
新聞は、社会の耳目を以て任じ、また、社会の人々は、そうした人達を幾分なりと救うことも善事と心得ているからです。まことにそうあることは、善いことであるに相違ない。