Japanische Klassiker mit Furigana
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がいていのようこうろ
街底の熔鉱炉
佐左木 俊郎
Lesen Sie 街底の熔鉱炉 (がいていのようこうろ) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.879 Zeichen · 14 Bildschirme
褪紅色の蕾。緑の葉。緋の花。――クレエム・ペエパァの安っぽい造花であった。
「それはそうだけれど、そんなことをしていて掴まらないのかしら?」
「そこが職業だもの。掴まってばかりいたら、職業にならないじゃないの。小父さんなんかも(掴まらなけりゃあ、やるがなあ……)って言っているんだけど、小父さんのような野呂間なんかにはとても出来やしないんだよ。」
「でも、随分変な職業もあるもんね。そりゃ、わたしの職業なんかも、随分変なものには違いないけど……」
「働いてお金を取って来る分に、何だって同じことさ。自分の好きなことばかりしていちゃ、お金にならないんだから。」
「それでは、わたしなんかも、肩身を狭くしていなくたっていいわけね。――じゃ、威張って帰るわ。」
房枝は赤い緒の下駄を持って、裏口から表玄関へ座敷の中を横切った。
「もう帰るの? 遊んで行けばいいのに……」
「こうして、小母さんの家から出て行くと、誰が見たって、小母さんのところへ遊びに行っていたのだと思うでしょう? ねえ!」
彼女は格子戸に掴まりながら朗かに微笑んで出て行った。
二
房枝は三日過ぎると、また同じ家に雇われて行った。