Japanische Klassiker mit Furigana
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がいていのようこうろ
街底の熔鉱炉
佐左木 俊郎
Lesen Sie 街底の熔鉱炉 (がいていのようこうろ) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.879 Zeichen · 14 Bildschirme
それを五円きり渡さないなんて……」
憤慨したようにして彼は言った。
「房枝さん! どうだ! これから、あの婆さんを仲に立てないで、直接にしようか?」
「でも、紹介してもらっていて、そんなことしちゃ……」
「悪いことなんかあるもんか。――じゃ、とにかく、今度来るとき、儂が一緒に来るように言ったからって、あの婆さんを一緒に伴れて来るといい。明後日来るとき。」
「今日ぐらいの時間でいいんですか?」
「ああ、いいよ。」
彼は畳の上にばたりと腕を匐わした。
「房枝さんは、実に綺麗な手をしているね。」
彼は言いながら房枝の手を執った。
三
房枝は雇われて行った家を裏口から出た。そして裏口から小母さんの家に這入った。小母さんはいつものように濃彩色のクレエム・ペエパァを切っていた。
「ねえ。小母さん! 泥棒でも、なんかこう、泥棒の勤める会社、というようなものがあるのかしら? 少しおかしいわね。」
「泥棒の会社? そんな馬鹿なものがあるもんかね。」
「だってね。小母さん! あの人はね。そら、お隣のお隣の、あの人は……」
「今日もあそこだったの?」
「そうよ。――ねえ。小母さん! あの人は、出張して来たって言ったわ。