Japanische Klassiker mit Furigana
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さいごうたかもり
西郷隆盛
Lesen Sie 西郷隆盛 (さいごうたかもり) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.892 Zeichen · 22 Bildschirme
「同じ汽車に乗っているのだから、君さえ見ようと云えば、今でも見られます。もっとも南洲先生はもう眠てしまったかも知れないが、なにこの一つ前の一等室だから、無駄足をしても大した損ではない。」
老紳士はこう云うと、瀬戸物のパイプをポケットへしまいながら、眼で本間さんに「来給え」と云う合図をして、大儀そうに立ち上った。こうなっては、本間さんもとにかく一しょに、立たざるを得ない。そこでM・C・Cを銜えたまま、両手をズボンのポケットに入れて、不承不承に席を離れた。そうして蹌踉たる老紳士の後から、二列に並んでいるテエブルの間を、大股に戸口の方へ歩いて行った。後にはただ、白葡萄酒のコップとウイスキイのコップとが、白いテエブル・クロオスの上へ、うすい半透明な影を落して、列車を襲いかかる雨の音の中に、寂しくその影をふるわせている。
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それから十分ばかりたった後の事である。白葡萄酒のコップとウイスキイのコップとは、再び無愛想なウェエタアの手で、琥珀色の液体がその中に充された。いや、そればかりではない。二つのコップを囲んでは、鼻眼鏡をかけた老紳士と、大学の制服を着た本間さんとが、また前のように腰を下している。