Japanische Klassiker mit Furigana
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みえざるてき
見えざる敵
海野 十三
Lesen Sie 見えざる敵 (みえざるてき) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.777 Zeichen · 16 Bildschirme
秘密ボタンを押すと、扉がひらいた。二人はビルの中へ転げこむように入っていった。
奥まった密室の安楽椅子のうえに身体をなげだすと、二人は顔を見合せた。
「おいワーニャ。なんだって、あれほど大切な壜を床の上に落したんだ。大きな苦心を積んで、やっと手に入れたと思ったのに、手前の腕も鈍ったな」
「鈍ったといわれちゃ、俺も腹が立ちまさあ。なアに、あの壜には長紐がついていて、その元を卓子にくくりつけてあったんです。その紐てやつが、やっぱり目に見えないやつだったんで、俺だって化物じゃないから、見えやしません。腕からスポンとぬけて、足の下でガチャンといったときに、ハハア目に見えない紐がついてたんだなと、気がついてたってえわけです。化物でもなけりゃ、はじめから気がつく筈がない。――」
「ワーニャ、愚痴をいうのはよせ。いまさらグズグズいったって、元にかえりゃしない」
ウルスキーは腹立たしそうに、太い葉巻をガリガリと噛んだ。
「ねえ、首領」とワーニャは機嫌をとるようにいった。「楊博士の奴は、ひどく悄気てたじゃないですか。たかが、たった一本の毛のことでねえ。莫迦らしいっちゃないや」