Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
「そんなことはありませんよ。腫物で瞼が引き釣ったりした場合には必要な手術ですからね」
「然うねえ、そんな時には是非受けなければなりませんわね」
「一皮目よりも二皮目の方が好いんでしょうか?」
と僕は探りを入れた。
「好いってこともありませんが、大きく見えますわ?」
「大きい方が引き立ちますね、何うしても」
「耳かくしや断髪には持って来いですわ」
「断髪になさる気?」
「いいえ」
「でも手術はお受けになるんでしょう?」
「考えものよ。片ちんばになっちゃ溜りませんわ。それに何方が似合うか確信がないんですもの」
と絹子さんは着物の柄を選ぶようなことを言った。
芝口で下りて銀座を歩いた。硝子窓のクリスマス装飾が目を惹く。松坂屋を出て松屋へ向う途中、
「お嬢さん、坊ちゃん、一寸」
と合図をして、写真機をパチンとやった男があった。
「何でしょう?」
と絹子さんが訊いた。
「新聞社の人でしょう」
「叔父さんの新聞?」
「さあ、どうでしょうか?」
と僕も実は要領を得なかった。
松屋で大分手間を取って、三越で食事をしたのは二時過ぎだった。それでも未だ帰るには少し早かったから、
「何うしましょうか?」