Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
とお祖父さんが笑った。
「あの男の人癲癇は評判ものです。村祭りでさえ時折ひっくり返るんですから、東京見物は無理ですよ。私が知っていたら止めるのでしたが、父は年甲斐もなく時々ああいう悪戯をして困ります」
「その後もう発作は起りませんか?」
と僕は訊いて見た。
「いや、可なり長く治まっていたのですが、あれから又癖がついてチョクチョクひっくり返るようですよ。東京で嫌いな帽子を無理に被せられたのが未だに祟ると言っています」
「気の毒なことをしましたな」
と僕は好い面の皮だと思った。
「変りものだなあ」
とお祖父さんが歎息した。
「変りものと言えば久太が死にましたよ」
「まあ! いつ」
と絹子さんが驚いた。これは僕も知っている有名な低能である。
「ついこの間のことさ。彼奴については面白い話があるんですよ。私は以前から承知していましたが、本人の稼ぎに拘るから死ぬまで黙っていました。源太郎さんもあの男に一銭銅貨をやったでしょう?」
「やりましたとも。毎日やりました」
「叔父さんも御存じでしょう?」
「知っている。矢張り一銭銅貨をやった口だ。俺の行った頃には二銭銅貨があったから、その方を喜んだ」