Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
実際僕は筍のように伸びる。親類へ行っても、
「源太郎さんは又大きくなりましたね!」
とその都度驚歎される。友達も僕のことをノッポと呼んで羨ましがる。図体丈けはまず完全に近い発達を遂げているといって宜しい。
孫が大きくなるにつれてお祖父さんとお祖母さんが年の寄るのは是非もない。お祖父さんは軍人で、馬に乗って出勤した姿を僕は朧ろながら覚えている。廐も今柿の木の植っているところにあった。骨格逞しい人だが、子供と反対に年々小さくなる傾向がある。着物が大きくなるということは初めて聞く。お祖父さんは今日も例の通り荒川さんと碁盤を挾んで坐った時、
「妙なことがあるものですね。俺は年々着物が大きくなりますよ。この間一重に着替えたら、裄も丈も一寸近く伸びていました」
と然も感心したように話し始めた。
「それは私も同じことです。年を取ると身体が縮みますからな。斯う皺だらけになるのは何よりの証拠です」
と荒川さんは有理らしい解答を与えた。この御隠居さんも軍人で、お祖父さんと同じく少将だが、海軍だ。何方も日清日露の戦役を経ている。僕達の生れない中に戦争を二度もしているのだから古いものだ。