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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

「成程、ハッハハハハ。初めてお目にかかったのは確かにその国境問題時代でしたよ」

「然うです。それでも天辺と両側に未だ相応残っていましたよ。伸しさえすれば何うにかなると思って待っていると、漸くのことで少将に進級しました。しかし大佐と少将の間が長過ぎたのですな。根気好く伸して見ましたが、真の数えるほどしか残っていませんでしたから、架橋工事が利きません。今はこれまでの運命と諦めました。髪は顔の装飾だと承わっていますが、俺は毛頭その機会がなかったのです」

「ははあ、面白い御述懐ですな。それも皆国家への御奉公でしょう」

「然うですよ。仕掛けがそんな具合に出来上っていますから、否応ありません。髪の毛のある頃は分けてならず、分けて宜い頃は髪の毛がない。それから見ると昨今の青年将校は羨ましいです。少中尉でも分けていますぜ。しかしあんな風で戦争に勝てるか何うかは頗る疑問です」

「余程髪の毛に執着がありますね。しかし大内さん、あなたは髪のないのを苦労になさるが、私はあるので持て余しましたよ」

「それは又妙ですな」

「この白髪頭の為めに私は若い時から何れくらい嘘をついたか知れません」