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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

訪ねて来る人達にも荒川さんのような御隠居さんが多い。僕はお祖父さんの室の隣りを勉強部屋にしているから、自然今紹介したような禿頭白頭の問答を耳にする。呑気で好い。自習も能く出来る。母屋へ行っておやつを貰う上に、お祖母さんが時々お菓子を下さる。両方から常習的に戴くので、郁子は僕のことを水陸両棲動物と呼んでいる。尤も郁子でも敏子でも離れへせびりに来る。千代子と浩二に至っては、

「お祖母さん、何かあるでしょう?」

「もう遊びに来てやらないから宜いや」

と公然ゆすって行く。皆水陸両棲動物だ。

お父さんの書斎から拝借して来た葉書へ英語通信教授の見本申込を認めた時、僕は又更衣の句を胸に浮べた。惣領の筍伸び……乃公は惣領だなと考え、惣領は甚六、事によると、甚六の名を辱しめないかも知れないと思ったら、少し心細くなった。実は僕に苦労がある。通信教授の見本を請求するのもその気休めに過ぎない。僕に限らず中学四年生になったものは大抵この苦労に直面する。それは高等学校の入学試験だ。四年級を修了すれば立派に入学資格があるのだけれど、志望者が定員を超過するから腕ずくでやらなければならない。