Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
「詰まらないですよ」
と芳夫さんはいつになく景気が悪かった。
「忙しいんですか?」
「忙しいけれど、毎日伝票の整理をする丈けですから、迚も退屈します。もう一二年学校でベースボールをやっている方が宜かったですよ」
「相変らず暢気なことを言っていますのね。折角入ったんですから、しっかりやって下さいよ」
とお母さんが窘めた。芳夫さんは里の惣領息子だ。学生時代から家へは能くやって来るので、殊に遠慮のない間柄になっている。
「しっかりやるにも何にも、小学程度の読み書き算盤丈けですから、策の施しようがないんです。あれでは俸給も廉い筈ですな」
「学校で習ったことは役に立ちませんか?」
とお父さんが訊いた。
「役に立つどころの沙汰じゃありません。驚きましたよ。経済学も荷厄介になるばかりです」
と芳夫さんは大学教育の効果を絶対に否定した。
「荷厄介は厳いですね。学校を卒業したから採用資格が出来たのに」
「それは然うです。渡米労働者なら見せ金って奴ですな、卒業証書は。入場券ですよ。それですから、入ってさえしまえば、学問なんかは些っとも要らないんです」
「成程、入場券は面白い。君のは、当大学に於て野球学を専攻し、三年の課程中一回も対校試合に欠席したることなきを証すと書いてあったろう?」