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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

文一君のお父さんは懸賞で僕を抜かせようと努めた。

「世の中は競争だ。お父さんなぞも何うしたら好い品物を格安に供給出来るかと思って、そればかりに屈託している。勉強して他の会社をバタリバタリと倒すくらい面白いことはない」

と教えたそうである。ビールも学問も道理に二つはない。然るに去年文一君が肋膜炎をやってからは諦めたと見えて、

「お隣りは謂わば兄弟会社のようなものだから、もう競争しなくても宜い。しかし他のものに負けちゃいけない」

と言ったと聞く。

文一君は長男だが、僕と違って姉さんが二人ある。弟と妹に至っても五人いるから、随分賑かだ。お父さんが家庭教育に熱心な丈けに、同胞八人皆相応に成績が好い。一番上の姉さんは帝大の助教授のところへお嫁に行った。もう一人片付いても僕の家より未だ一人多いのだから御大抵じゃなかろうと、お母さんは同情している。文一君はお父さんの意を体して弟妹の指導に怠りない。僕はこの夏親しく実地訓練の光景を拝見して、片山さんの用意周到に敬服した。それは文一君が年下一同を引率して動物園へ出掛ける時だった。電車に乗ると文一君を筆頭に年順に坐ったのは長幼の序を守ったものと認めた。