Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんらんしょうにんについて

親鸞聖人について

吉川 英治

Lesen Sie 親鸞聖人について (しんらんしょうにんについて) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.038 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

それを私、後から見ているうちにやがてなんともいえない気持がしてきました。平和な、うれしい、この老夫婦は今日、あの戦禍をどうにかしのいだだけでなくですね、おそらくは一緒になってから四十年間、人生のいろんな苦難や峰や谷をへて、ここへくるまではたいへんだったろうなと思ったんです。

このじいさんが、若くして浮気したこともあるだろうし、また息子に問題のあったこともあるだろうし、事業に失敗したこともあるだろう。妻の病んだこともあるだろう。あるいはまた、ひょっとしたら、この人も幾人かの息子のうちの一人や二人、戦いのためになくしたのかもしれないと思います。この老夫婦が、この峰にたどりついて、春の日の光に二人、ちょこなんとすわって一目千本の桜を、こうじーっと黙ってながめている間には、声は聞こえませんけれど、もう万感をお互いに話し合ってるんじゃないか。と同時に、結局、人生の長い間にあれだのこれだの名誉だの、金がもうかっただの、なんだのかんだのといっているけれども、人生のほんとうにたどりつく、最も美しい、最も完成されたものは、この老夫婦の姿じゃないか。

『ああよく二人とも、ここへきなすったね』