Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうもんちょう
註文帳
泉 鏡花
Lesen Sie 註文帳 (ちゅうもんちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.770 Zeichen · 67 Bildschirme
月こそ違うが、日は同一、ちょうど昨日の話で今日、更めてその甥御様に送る間にあった、ということで、研賃には多かろうが、一杯飲んでくれと、こういうのじゃ。
頂きます頂きます、飲代になら百両でも御辞退仕りまする儀ではござりませぬと、さあ飲んだ、飲んだ、昨夜一晩。
ウイか何かでなあ五助さん、考えて見ると成程な、その大家の旦那がすっかり改心をなされた、こりゃ至極じゃて。
お連合の今の後室が、忘れずに、大事にかけてござらっしゃる、お心懸も天晴なり、来歴づきでお宝物にされた鏡はまた錦の袋入。こいつも可いわい。その研手に私をつかまえた差配さんも気に入ったり、研いだ作平もまず可いわ。立派な身分になんなすった甥御も可し。戒のためと謂うて、遣物にさっしゃる趣向も受けた。手間じゃない飲代にせいという文句も可しか、酒も可いが、五助さん。
その発端になった、旗本のお嬢さん、剃刀で死んだ遊女の身になって御覧じろ、またこのくらいよくない話はあるまい。
迷じゃ、迷は迷じゃが、自分の可愛い男の顔を、他の婦人に見せるのが厭さに、とてもとあきらめた処で、殺して死のうとまで思い詰めた、心はどうじゃい。