Japanische Klassiker mit Furigana
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しのげんり
詩の原理
萩原 朔太郎
Lesen Sie 詩の原理 (しのげんり) von 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.641 Zeichen · 305 Bildschirme
そして実際、そこには十分の事情と原因が存するのである。しかしその最も根本的なる、真の第一原因たる事情については、後に他の章で説明しよう。此処では故意にそれを除いて、他のより表面的なる誤った俗見について啓蒙しよう。
明白に、だれの眼にも見えている事は、近代に於ける散文の発達である。実に韻文の凋落と散文の発達とは、近代の歴史に於て逆比例を示している。昔にあっては見る影もなく、叙事詩や劇詩の繁栄の影にかくれて、卑陋な賤民扱いにされていた小説等の散文学が、最近十八世紀末葉以来、一時に急速な勢力を得て、今や却って昔の貴族が、新しい平民の為に慴伏され、文壇の門外に叩き出された。何故だろうか? 一般に解説されているところによれば、この世界変動の真原因は、文明の進歩によって、人間が科学的になり、理智的になった為だと言われる。理智的の人間は、すべてに於て客観的なる、真実本位のレアリスチックな文学を好むであろう。叙事詩の如き浪漫的で情象主義の文学は、かかる理智的な科学時代に、凋落せざるを得ないというのだ。
しかしながらこの解釈は、果して合理的であるだろうか。もし実にそうだとすれば、近代に於て凋落すべき悲運のものは、独りあに叙事詩や劇詩のみでない、音楽や、歌劇や、舞踊の如き、一切の情象主義の芸術は、その非レアリスチックなこと