Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はなしのくずかご

話の屑籠

豊島 与志雄

Lesen Sie 話の屑籠 (はなしのくずかご) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.252 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

或る貧しい男が、帽子をなくして、なあに、無帽主義だと、ハイカラを気取っていたところ、金が少しはいると、時たま、頭にひやりとしたものを感じて、やはり、帽子を買うことにした。

そこで、帽子屋にはいって、物色してみたが、どうも気に入ったのがない。折角買うんだし、頭にのっけるものだから、慎重を要するので、いろいろいじりまわした後で、顔をしかめて、店をとびだした。丁度、ほかにも客があったので、好都合だった。

ところが、少し歩いてるうちに、どうも、変な気持だ……と感づくと同時に、頭に手をやると、帽子がのっかっている。

立止った拍子に、腹が立って、当惑して、かっとなって、急ぎ足に帽子屋にとって返した。

「おい、何をうっかりしてるんだ。僕が帽子をかぶってたかどうかくらい、分りそうなもんじゃないか。人の頭に新らしい帽子をのっけて、そのままにしとくという法はない。万引じゃあるまいし……注意し給え。」

そして帽子をそこにたたきつけた時には、彼は本当に怒っていた。

*

こうした話を――落ち散ってる話の屑を――次々に引出していけば、きりがない。各種各様のものが、秩序も順序もなく、雑然と堆積しているのである。