Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちかいのまき

誓之巻

泉 鏡花

Lesen Sie 誓之巻 (ちかいのまき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.856 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

どんなにか心細いでしょう。寝たっきりで、先月の二十日時分から寝返りさえ容易じゃなくッて、片寝でねえ。耳にまで床ずれがしてますもの。夜が永いのに眠られないで悩むのですから、どんなに辛いか分りません。話といったってねえ、新さん、酷く神経が鋭くなってて、もう何ですよ、新聞の雑報を聞かしてあげても泣くんですもの。何かねえ、小鳥の事か、木の実の話でもッておっしゃるけれど、どういっていいのか分らず、栗がおッこちるたって、私ゃ縁起が悪いもの。いいようがありません。それでなければ、治ってから片瀬の海浜にでも遊びにゆく時の景色なんぞ、月が出ていて、山が見えて、海が凪ぎて、みさごが飛んで、そうして、ああするとか、こうするとかいって、聞かせて、といいますけれど、ね、新さん、あなたなら、あなたならば男だからいえるでしょう。いまにあなた章魚に灸を据えるとか、蟹に握飯をたべさすとかいう話でもしてあげて下さいまし。私にゃ、私にゃ、どうしてもあの病人をつかまえて、治ってどうしようなんていうことは、情なくッて言えません。」

という声もうるみにき。

「え、新さん、はなせますか、あなただって困るでしょう。