Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちかいのまき

誓之巻

泉 鏡花

Lesen Sie 誓之巻 (ちかいのまき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.856 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

だって、はじめッから入院さしたッて、どうしたッて、いけないッて見離しているんですもの。今ン処じゃただもう強いお薬のせいで、ようよう持っていますんですとね、ね、十滴ずつ。段々多くするんですッて。」

青き小き瓶あり。取りて持返して透したれば、流動体の平面斜めになりぬ。何ならむ、この薬、予が手に重くこたえたり。

じっとみまもれば心も消々になりぬ。

その口の方早や少しく減じたる。それをば命とや。あまり果敢なさに予は思わず呟きぬ。

「たッたこれだけ、百滴吸ったらなくなるでしょう。」

「いえ、また取りに参ります……」

といいかけて顔を見合せつつ、高津はハッと泣き伏しぬ。ああ、悪きことをいいたり。

秀を忘れよ

「あんまり何だものだから、僕はつい、高津さん気にかけちゃ不可い。」

「いいえ、何にもそんなことを気にかけるような、新さん、容体ならいいけれど。」

「どうすりゃ可いのかなあ。」

ただといきのみつかれたる、高津はしばしものいわざりしが、

「どうしようにも、しようがないの。ただねえ、せめて安心をさしてあげられりゃ、ちっとは、新さん何だけれど。」

と予が顔を打まもれり。