Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
むほんろん(そうこう)
謀叛論(草稿)
徳冨 蘆花
Lesen Sie 謀叛論(草稿) (むほんろん(そうこう)) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.699 Zeichen · 19 Bildschirme
諸君、明治に生れた我々は五六十年前の窮屈千万な社会を知らぬ。この小さな日本を六十幾つに劃って、ちょっと隣へ往くにも関所があり、税関があり、人間と人間の間には階級があり格式があり分限があり、法度でしばって、習慣で固めて、いやしくも新しいものは皆禁制、新しい事をするものは皆謀叛人であった時代を想像して御覧なさい。実にたまったものではないではないか。幸に世界を流るる一の大潮流は、暫く鎖した日本の水門を乗り越え潜り脱けて滔々と我日本に流れ入って、維新の革命は一挙に六十藩を掃蕩し日本を挙げて統一国家とした。その時の快豁な気もちは、何ものを以てするも比すべきものがなかった。諸君、解脱は苦痛である。しかして最大愉快である。人間が懺悔して赤裸々として立つ時、社会が旧習をかなぐり落して天地間に素裸で立つ時、その雄大光明な心地は実に何ともいえぬのである。明治初年の日本は実にこの初々しい解脱の時代で、着ぶくれていた着物を一枚剥ねぬぎ、二枚剥ねぬぎ、しだいに裸になって行く明治初年の日本の意気は実に凄まじいもので、五ヶ条の誓文が天から下る、藩主が封土を投げ出す、武士が両刀を投出す、えたが平民になる、自由平等革新の空気は磅として、その空気に蒸された。