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Japanische Klassiker mit Furigana

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むほんろん(そうこう)

謀叛論(草稿)

徳冨 蘆花

Lesen Sie 謀叛論(草稿) (むほんろん(そうこう)) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.699 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

日本はまるで筍のように一夜の中にずんずん伸びて行く。インスピレーションの高調に達したといおうか、むしろ狂気といおうか、――狂気でも宜い――狂気の快は不狂者の知る能わざるところである。誰がそのような気運を作ったか。世界を流るる人情の大潮流である。誰がその潮流を導いたか。とりもなおさず我先覚の諸士志士である。いわゆる(二字不明)多で、新思想を導いた蘭学者にせよ、局面打破を事とした勤王攘夷の処士にせよ、時の権力からいえば謀叛人であった。彼らが千荊万棘を蹈えた艱難辛苦――中々一朝一夕に説き尽せるものではない。明治の今日に生を享くる我らは維新の志士の苦心を十分に酌まねばならぬ。

僕は世田ヶ谷を通る度に然思う。吉田も井伊も白骨になってもはや五十年、彼ら及び無数の犠牲によって与えられた動力は、日本を今日の位置に達せしめた。日本もはや明治となって四十何年、維新の立者多くは墓になり、当年の書生青二才も、福々しい元老もしくは分別臭い中老になった。彼らは老いた。日本も成長した。子供でない、大分大人になった。明治の初年に狂気のごとく駈足で来た日本も、いつの間にか足もとを見て歩くようになり、内観するようになり、回顧もするようになり、内治のきまりも一先ずついて、二度の戦争に領土は広がる、新日本の統一ここに一段落を劃した観がある。