Japanische Klassiker mit Furigana
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とんぐん
豚群
黒島 伝治
Lesen Sie 豚群 (とんぐん) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.277 Zeichen · 15 Bildschirme
「宇平ドンにゃ、今、宇一がそこの小屋へ来とるが、よその豚と間違うせに放すまい、云いよるが……。」と、親爺は云った。
健二は老いて萎びた父の方を見た。残飯桶が重そうだった。
「宇一は、だいぶ方々へ放さんように云うてまわりよるらしい。」親爺は、桶を置いて一と息してまた云った。
「えゝ※(感嘆符疑問符、1-8-78)……裏切ってやがるな、あいつ!」健二は思わず舌打ちをした。
「放したところで、取られるものはどうせ取られるやら知れんのじゃ。」親爺は、宇一にさほど反感を持っていないらしかった。寧ろ、彼も放さない方がいゝ、とも思っているようだった。
「あいつの云うことを聞く者がだいぶ有りそうかな?」
「さあ、それゃ、中にゃ有るわい。やっぱりえゝ豚がよその痩せこつと変ったりすると自分が損じゃせに。」
「そんな、しかし一寸した慾にとらわれていちゃ仕様がない。……それじゃ、初めっから争議なんどやらなきゃええ。」健二はひとりで憤慨する口吻になった。
親爺は、間を置いて、
「われ、その仔はらみも放すつもりか?」と、眼をしょぼしょぼさし乍らきいた。
「うむ。」
「池か溝へ落ちこんだら、折角これだけにしたのに、親も仔も殺してしまうが……。