Japanische Klassiker mit Furigana
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ひんぷこうふこう
貧富幸不幸
幸田 露伴
Lesen Sie 貧富幸不幸 (ひんぷこうふこう) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.021 Zeichen · 12 Bildschirme
そこで亭主も富即幸福の宗門に帰依してしまう。しかし富には到り易く無い。即ち大抵は幸福を感ぜずに、埋地の足前にもならないアスガラになってしまうのである。いよいよ面白くなさそうな事だ。寧ろ貧富と幸福不幸福とを正比例だと思う如き妄見を脱却して、貧乏は貧乏でも幸福は幸福であるという見方にして、灰打ちたたく鰮一枚を二人で飯の菜にしても、清く面白く暮らした方が端的に美的生活即幸福生活である。「細工人は一生貧なるものと覚悟して」と云った彫金家の安親の生活は幸福であったろうと思われる。明治のその彫金家は富んだ。しかしその生活は美的でも幸福的でも有ったとは想えぬ。
貧即不幸福の宗門者は、ともすれば食えなくては堪らぬということを説く。恋しさとひもじさとでは、ひもじさが痛切だという意味の歌が有る。また「死ぬほど惚れても貧乏人はいやだ、出来りゃ吾が児が寒ざらし」などいう俚謡もある。いずれも半面の真を露わして居るが、全部の真では無い。半分は嘘だ。安心すべし、身を投げて死なんとしても大抵は死ねぬ世である。「肩あれば着ざる無く、口有れば食わざる無し」という古語の通りで、肩が無くならぬ限り、口が無くならぬ限りは、飢寒で死ぬことは少い。