Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひんみんくらぶ
貧民倶楽部
泉 鏡花
Lesen Sie 貧民倶楽部 (ひんみんくらぶ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.333 Zeichen · 111 Bildschirme
「唯今は御慮外をいたしまして、恐入ってござります。命を繋ぐためとは申せ、因業な活計でござりまして、前世の罪が思い遣られまする。」と啜上げて、南無阿弥と小声にて唱え、「じゃと申して、土を噛っては腹が承知いたしませぬ処から、余儀なく悪いことを致しまする。ああ、この世からの畜生道、良い死目には逢われますまい。果敢いことでござります。」
潸然として溢す涙に真心見えて哀なり。
「老年が罪を造るのも貧ゆえです。ねえ、貴女。」と綾子眼をしばたたけば、貞子は頷きて、「定や、あれを遣わすが可い。」
侍女は畏りて一包の金子を持出で、
「御情だよ、頂戴しな。」と痩せたる掌に握らすれば、屠犬児は樹に魚を獲たる心地、呆れて窪める眼をりぬ。
綾子は少しく乗出だし、「他に渡世の道が無いでもあるまい。ちっとじゃが資本にして、そういう穢らわしい商売は休めたが可い。お前はどこの者だえ。」
溢るるばかりの情の露れ、屠犬児は袖を濡して、「ああ、忝うござります。何たる、神様か、仏様か、お庇で清く死なれまする。はいはい、私風情にここと申す住所もござりませぬ。もう御暇を下されまし。」と揉手をしつつ後退。