Japanische Klassiker mit Furigana
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かこうとしょうり
賈后と小吏
田中 貢太郎
Lesen Sie 賈后と小吏 (かこうとしょうり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.751 Zeichen · 10 Bildschirme
窓の真珠の簾を照らしていた陽の光が薄れて、銀燭が青い焔を吐きだしたところで、青年と仙妃の前には肴饌が並んだ。それは奢靡のかぎりをつくしたもので、何という名のものか口では言うことが能なかった。またその肴を盛ってある器も、皿も盃もみな玉からなっていた。仙妃は青年を促してその卓に着いた。二人が卓に着くと仙妃の侍女達は傍へ来て給仕をした。その侍女達の中にかの老嫗も交っていた。
侍女達は仙妃と青年に酒を注いだ。青年は不安がないでもなかったが、仙妃の態度が未だ了らざる宿縁を続ぐ以外に何もないように見えるので、注がれるままに酒を飲み、奨めらるるままに肴を口にした。
「何人にも遠慮はいらない、ゆっくりおあがり」
仙妃は青年の顔を楽しむようにして見ていた。
「は」
朝夕の食料に不足していた小吏の心は、仙妃よりも山海の珍味の方に往っていた。
「これをおあがり」
仙妃は青年に肴を取ってやることがあった。
「は」
青年は象牙の箸と玉の盃をおかなかった。仙妃も酒を飲んで小女のようにはしゃぐことがあった。
そのうちに青年は酒にも肴にも飽いてきた。仙妃の手はまた青年の手にかかっていた。